
風邪や発熱、子どもの体調不良…。どの病院へ行けばいいのか迷ったことはありませんか?
今回は淺野先生に、受診の目安や病院選び、診察時の伝え方など、日常の疑問にQ&A 方式で答えていただきました。
淺野 祥孝先生
医療法人越魂会 かわごえファミリークリニック
福島県立医科大卒。
小児科専門医、埼玉医科大学総合医療センター救急科非常勤医師。災害支援も。
Q. 鼻水や咳、熱が出たとき、いつ受診すればいい?
A. 軽い症状であっても不安なら受診して大丈夫
風邪などの軽い症状でも、不安に思ったら、近くのクリニックを受診しましょう。
クリニックの役割は日常的な体調不良を診る「1 次診療」です。
遠慮することはありません。
1 歳未満の乳児や高齢者は軽症でも急に重症化することもあるので、早めの受診を。
●迷ったら相談ダイヤルへ
# 7 11 9(救急安心センター)
医師や看護師が受診や救急車の必要性を助言。
休日・夜間の急病で救急外来受診を迷ったときにも活用を。
#8000(小児救急電話相談)
子どもの急な発熱や体調不良に対応。
小児科医や看護師が受診や救急車の必要性を助言してくれます。
Q. 市販薬で症状がやわらいでも受診したほうがいい?
A. よくなっていれば不要。不安があれば受診を
市販薬で症状が軽快し生活に支障がなければ不要です。
ただし、不安がある場合や症状が長引くときには受診を。
Q. 逆に受診を控えたほうがいい場合はある?
A. 原則は変わらず。自分の症状を優先してOK
感染症の流行期でも、不安があれば受診という原則はそのまま。
現在は多くの病院で発熱患者の動線を分けるなどの対策をしています。
Q. まずはどの病院へ行けばいい?子どもは小児科でいい?
A. 迷ったら、かかりつけの内科へ
迷ったらまずは、成人はかかりつけの内科クリニック、15 歳までの子どもは小児科へ。
必要に応じて医師が受診すべき病院や診療科を紹介してくれます。
Q. 病院とクリニック、どちらに行く?
A. クリニックが窓口。専門治療は病院で
まずはクリニックを受診しましょう。
医師が症状を診て「高度な検査や専門治療が必要」と判断したら、連携する総合病院や大学病院などの病院を紹介してくれます。
クリニック(医院、診療所)
日常的な病気の診察や慢性疾患の管理を担う最も身近な医療機関。
必要に応じて病院へ紹介。
病院(総合病院、大学病院など)
救急医療や入院、手術を含む専門的治療や高度な検査の場。
20 床以上の病床を有する。原則として紹介 状が必要。
Q. 何科を受診すればいいかわからないときは?
A. かかりつけの内科・小児科に相談を
診療科がわからない場合も、成人はかかりつけの内科、子どもは小児科へ。
医師が適切な診療科を案内してくれます。
多くの小児科は小児内科であり、内科全般を診ます。
ただし、おとなも子どもも明らかに骨折や外傷なら整形外科、目の症状なら眼科の受診を。
Q. かかりつけ医はどのように決めればいい?
A. 通いやすく信頼できる自分に合う医師を選ぶ
かかりつけ医は通いやすさと信頼関係が築けるかが重要です。
1つに限定せず、状況次第で使い分けてもOK。
自分に合った相談しやすい医師を選んで。
Q. 問診票にはどんなことを書けばいい?
A. 情報は取捨選択せずにすべて伝えて
問診票には症状や持病、服用中の薬などを記入します。
医師との問診でも情報を取捨選択せずにすべて伝えることが大切です。
お薬手帳も必ず持参しましょう。
●問診票に記入すること
・今の症状と受診理由、発症した時期
・これまでの病気や手術歴、治療内容
・現在服用中の薬名、使用期間
・アレルギーや薬による副作用歴
・妊娠中・授乳中の有無
Q. 子どもの症状はどう伝えればいい?
A. 幼児は保護者が説明。高学年以上は本人から
子どもの症状の経過をメモしておくとスムーズ。
付き添いを親族などに依頼する際も、メモを渡しておきましょう。
小学校高学年以上ならまず本人に話してもらい、親は補足を。
Q. 再診はどんなときに必要?
A. 症状が長引くときは再度受診を
症状が一度は落ち着いても、「熱が再び上がる」「咳や鼻水が長引く」といった場合は再診を。
特に乳児や高齢者は急な悪化もあるので早めに受診して。
Q. 治療の途中で病院を変えるのはNG?
A. 症状が改善しなければ他院を受診して大丈夫
症状が改善しないときに「別の医師にも診てもらいたい」と思うのは自然なこと。
かかりつけ医があっても、必要に応じて遠慮なく他院を受診して大丈夫です。
その際は治療の経過や飲んでいる薬などについて、次の医師にも正確に伝えましょう。
ちなみに、よく聞くセカンドオピニオンとは、がんなどの重い病気で治療法の選択が重要になるときに利用される制度です。
これは診断や治療方針について別の医師の意見を聞く仕組みで、多くは自費診療になります。
Q. 救急車はどんなときに呼べばいい?
A. 強い胸痛、呼吸困難、意識障害は迷わず119番を
強い胸痛、呼吸困難、意識障害やけいれん、乳幼児で急に元気がなくなったら迷わず119 番を。
判断に迷ったら「全国版救急受診ガイド(Q助)」を活用しましょう。
●こんなときは即119 番!チェックリスト
突然の強い胸の痛みや頭痛
意識がない(返事がない)
けいれんが止まらない
呼吸が苦しい、ゼーゼーする
大量の出血を伴うケガ
乳児の様子がおかしい
特に持病がある人や乳幼児がいる家庭では、日ごろの備えが大切です。
●あると便利な持ち物
おくすり手帳や常用薬
マイナ保険証または資格確認書
かかりつけ医の診察券・靴・お金
(子どもの場合)
母子健康手帳・おむつ
タオル・着替え
Q. 救急車を呼んだときの流れは?
A. 「救急です」と伝え、住所・症状などを説明
119番に電話したらまず「救急です」と伝え、住所や症状、年齢・性別を落ち着いて説明します。
救急車が向かっている間は指令員の指示に従って応急手当を。
出動要請から約8 分で救急隊員が到着。
症状や経過、服用中の薬などを伝え、医療機関へ搬送してもらいます。
●救急車要請の流れ
①119 番で「救急です」と伝える
②指令員の質問に沿って、住所や目印、症状・年齢・性別などを落ち着いて伝える
③電話で指示を受けながら、できるかぎり応急処置を行う(心肺蘇生、止血など)
④救急車が到着したら、症状の変化や服用中の薬などを救急隊員に伝える
インタビュー実施日|2025年8月29日
取材・執筆協力|石川美香子
イラスト|中山信一